フロントのVelvet Brickをリアに移設して約半年。
どうもバンドで合わせた時にシックリこなかったのと、Bluesbuckerがインストでイマイチ馴染んでこなかったので、もう一度ピックアップの選定を行うことにしました。
Bluesbuckerを搭載する前にも色々考察しており、フロントを変更するかリアを変更するかで迷いに迷った結果Velvet Brickを移設した訳ですが、今回は素直にフロントに戻しリア用を探し出すことに。
Velvet Brickは現在7.3kΩなのでそれに合うように8~9kΩで探すことにしました。
当初エスカッションではなくピックガードからの吊り下げなので、suhrやSeymour Duncan辺りに目星を付けてましたが、イマイチ欲しいサウンドが得られそうにないので素直にGibsonから選ぶことに。
最近は57 ClassicやBurstBucker、CustomBuckerなどGibsonのピックアップがやたら気に入っているというのもあるし、やはりGibsonの音はGibsonのピックアップが一番という思いもあります。
で、今回Gibsonでよくあるマホガニーでなく、オール・カーリーメイプルなのでタイトになりがちの57 Classicはボツ。
BurstBuker2や3を中心に考えていたんですが、やはりVintageテイストを取り入れたいし、BurstBukerを積んでもいつも聴いてる音とはまた違う感じになると思い、CustomBuckerの市販用に作られたLiveBuckerに決定!
先日届いたので、早速交換♪
ついでにコンデンサーも変更しようかと良からぬ考えもよぎりましたが、現在搭載しているVintage Bumblebeeはそのままにしときました。
ついでに弦交換と清掃も済ませ、1時間半ほどで終了。
ピックアップの高さ調整など行い試奏開始。
うん、うん。やっぱりGibsonサウンドは気持ちいいね♪
オール・カーリーメイプルなので全体的にカリッとしているんですが、いい感じに柔らかさが加わりました。
LiveBuckerはCustomBuckerを基本に巻き数を増やし、少しパワーを上乗せしてあり、出力は8.4~8.7kΩほど。
CustomBuckerは低音いい感じに抑えられ、BurstBukerよりも高音が素直に出る印象でしたが、LiveBuckerはその音をいい感じにBurstBukerより戻したような感じですね。
タップの音はちょっと弱めかなとも感じたけど、Victoryはあんまりリアタップで弾くことはないので、そこまで気にする必要はないかなと思ってます。
今はシングル系はすべてSevernでまかなえるしね。
Gibson / Victory MVⅡについてあまり知られていないので、詳しく調べた事を記載しておきます。
Gibsonが変わったシェイプのギターをバンバン製作していた70年後半から80年前半。
経営的にも苦かったこの時代にVictoryシリーズは誕生しました。
因みにVictory MVの『MV』とはMulti Voiceの略です。
この時代は音楽的にもメタルが台頭して来ており、ギターのシェアもトレモロが搭載されているストラトタイプに取られ、レスポールを復活させたばかりのGibsonには向かい風が吹いてました。
そんな折、自国の音楽であるカントリーに目をつけた訳ですが、取り分けこのジャンルもFenderがシェアを誇っていたため、それを打開すべく製作されたのがこのVictoryです。
VictoryシリーズにはMVⅡ、MVⅩ、BASSがあり、それぞれMVⅡはテレキャスター、MVⅩはストラトキャスター、BASSはプレシジョンベースの対抗馬として作られました。
特にこのシリーズは通してネック、ボディーにイースタン・ハードロックメイプルが使用されおり、重量を犠牲にしてでも過酷な環境・ステージにも耐えうるものとして選択された経緯があります。
ボディーシェイプはFenderを意識したダブルカッタウェイになっていますが、ギターの方はGibson伝統のセットネックが採用されたり、スケールが24 3/4になっていたりと、Gibsonらしさが細部に残っているのも特徴。
更にMVⅡとMVⅩは見た目こそあまり違いはありませんが、細かいところでは2点ほど差異があります。
1点目はピックアップ。
実際のピックアップもそれぞれに全く違うものが搭載されています。
MVⅡはフロント / Velvet Brick リア / Magna Ⅱ
MVⅩはフロント / Magna Plus センター / Super Stack リア / Magna Plus B
(よく間違えらてますが同ピックアップは同時期に製作されていたSonex Deluxeシリーズには全く搭載されていません。)
見た目はMVⅡがH-H、MVⅩがH-S-Hですが、実はMVⅩのセンターにはSuper Stackというハムバッカーが搭載されており、H-H-Hの配列なんですね。
もちろんコントロールはMVⅡが3way、MVⅩが5wayになってます。
2点目は指板。
MVⅡはローズウッド、MVⅩはエボニーが使用されています。
ここまで精力的に新しくVictoryシリーズを作製したGibsonですが、販売は真逆にひっそりとしたものでした。
当時のカタログにはほとんど掲載されておらず、専用のPOPも81年と82年の2つだけ。
また84年まで製作されていたものの、大部分の大量生産は1981年の下半期と1982年の第1四半期に限定されていたようです。
これはGibsonバイヤーからあまりにもFenderライクなVictoryが不評を買ったのが原因とされています。また実際の音も同社のRDに近いため、当時のFenderのファンからも見向きもされませんでした。(販売価格が高価だった為という噂も・・・)
ですが最近になりアメリカ本国でも80年代のギターが見直されつつあるので、この流れに乗って是非Victoryも再評価されて日の目を見てもらいたいものです。
ようやくmod.が終わったMV Ⅱですが、やはりテレキャスの対抗として作られただけあって高音がちょっとキツい。
キツいだけならまだしも、その音域がノイズにも影響してるのでどうにかしたいところです。
そこで色々考えてたんですが、いっそのことトーンを固定してしまうことを思い付きました!
ただ、問題は固定方法。
昔の横山健の様にテープで固定するのが一番なんでしょうけど、如何せん見た目が……
そこで、ノブの下に両面テープを貼って固定することを思いついたんですが、ポッドが高く固定するには何かジグが必要なんですね。
ちょうど良い高さの持ち合わせはスポンジしかなく、細かく切ってボディーに貼り付け。その後スポンジとノブにマジックテープをつけて固定する方式を取りました。
なんとか簡単に回らないようになったんですが、どうも強度的に心許ない。
また家捜しして何かないかと探していたら、良いものを発見!
それが、このストラップ・ラバーです。
手放してしまった79年のストラトキャスター用に購入していたもので、スッカリ存在を忘れてました。
早速取り付けてみると、ラバーの穴がちょうどポッドの大きさにピッタリ!
しかも高さも2枚咬ませることでちょうど良い高さになりました♪
おかげでトルクも簡単に動かなくなる程度に重くなり思い描いていた通りなりました!
完全に固定してないので演奏に併せて調整も出来るし、まさに一石二鳥♪
まさかこんな事に利用できるとは……やっぱりなんでも大事に取っておくものですね。
前回工房へお願いしたリペアですが、実は1週間前に一度受取に行きました。
その時は気づかなかったんですが帰宅後試奏してみると、3WAYスイッチレバーの故障とまだ発生してしまうハウリングの為、再度リペアのやり直しに・・・orz
で、前回の際は内部キャビティのシールディングと配線材・コンデンサーの交換、フレット処理、ナットの再整形などお願いしてたんですが、今回は更にスイッチレバーの交換、ピックアップのポッティングを追加で依頼して来ました。
Victory MVⅡを何回か家弾きしましたが、どうもノイズが多すぎる……
調べてみると、どうもキャビティに82年辺りから誘電塗料が塗ってあるようなんですが、81年の初年度だからかイマイチ工程が固まってないようで、小生のは僅かにコントロール付近に塗られているだけでした。
また、前所有者が手を付けた痕跡も多々あり、どうも一筋縄ではいかない様子。
こうなると手に負えそうにないので、行きつけの工房にお願いして、ちゃんとしたシールド処理のついでに配線材・コンデンサーの交換、及び全体調整をお願いすることにしました。
工房に到着後、状況を説明がてら気になっていたピックアップの出力を調べてもらったところ、リアのMagna Ⅱが9.6kΩ、フロントのVelvet Brickが7.3kΩほどでした。
ヴィンテージとしてはMagna Ⅱはやや強いものの、時代的にSuper DistortionやDirty Fingerなど高出力のピックアップが出だしたのを考えると、当時としてはちょっと大人しめのピックアップだったのかも知れませんね。
リペア自体は約1週間とのこと。
何とか狙った通りの音になることを願うばかりです。